yukihaze

『雪爆ぜ』
           山田真佐明

 

白と鼠の世界で
あなたの吐息を吸い込む

くちづけの味は
すこし塩辛かった

氷の世界でゆっくりあなたの裸を
撫でさする あたたかな陽ざし

柔らかな肉体の 白い部分や
つき出た盛り上がりが
かげと香りをまとい
私を容赦なく襲うようだ

知っているか
をんなのからだがなぜ丸いのかを
おとこのからだがごつごつしている理由を

今の私にわかることは
お互いにないものを求めたからだということ

雪の中で抱きしめあって
ぬくもりを確かめ合ってから
そっと雪のなかに解き放った吐息の残滓が
吹雪の中で爆ぜた気がした