詩を前に

落ち着いて歩を進める私に お前は何か言いたいのだろう

指先を絶えず擦り合わせ 声も出さずに口唇を動かしている

落ち着き払った今の私に お前の何かを指摘することはできない

あの朝日の向こう側にある夜が お前に沈んでいるのだ

今のお前にかける言葉も見当たらない

ただ朝が来て 昼になって 夜に沈む それだけが

今こんなにも 輝かしく 胸を点くというだけだ