2021-04-29 詩を前に 落ち着いて歩を進める私に お前は何か言いたいのだろう 指先を絶えず擦り合わせ 声も出さずに口唇を動かしている 落ち着き払った今の私に お前の何かを指摘することはできない あの朝日の向こう側にある夜が お前に沈んでいるのだ 今のお前にかける言葉も見当たらない ただ朝が来て 昼になって 夜に沈む それだけが 今こんなにも 輝かしく 胸を点くというだけだ